キャブセッティング
薄い状態から始めた悪い見本編<真似しちゃ駄目

必要なもの
セッティング用オーバーサイズメインジェットセット
(場合によってはスロージェットなども)
ニードルクリップを外す為のラジオペンチ
キャブを開ける為のドライバー類
新品のプラグ
(スプリットファイヤープラグなどはセッティングには向かないので、ノーマル純正プラグを使うこと)

前置き
今回は作者がチャンバーを付けてセッティングした過程を紹介ますが、
吸排気関係をいじった場合は全て同じ手順でセッティング出来ます。

用語
薄い=ガソリンと空気の比率で、ガソリンの方が薄い状態の事。

息つき=走行中一瞬プスンと回転が落ちる現象。
(ガスが薄い場合に起きる)

ボコつき=トルク感はあるが、回転の上がりがスムーズでなく、最高回転数も落ちている。
また、音もこもった感じになる。
(ガスが濃い場合に起きる)

ただし、極度に薄かったり濃かったりしても最高回転数が落ちたり息つきのような現象が出ます。

95TZR50R基本データ
プラグ=BR9ES
MJ=100番

キャブセッティング?

キャブセッティングとは、キャブレターで行っているガソリンと空気の混合比率を変更させて、改造に見合った混合比率にする事です。
セッティングの流れとしては、最初に高回転のセッティングをだす。
これはMJ(メインジェット)のサイズを変更していきプラグの絶縁体がキツネ色に焼けるようになれば完了。
次に低中回転のセッティングをニードル、スロージェット、エアスクリューで行う。
これはプラグではチェックしにくいので実走行とレーシング(空吹かし)によってセッティングする。

チャンバーポン付け

リブラプロ製バークSP M7チャンバーを装着しました。
説明書によるとエアクリーナー付きの場合はキャブセッティング不用と書かれていたので、新品プラグと共にポン付けし、50Kmほど走ってみました。

すると、パワーバンド以下の〜8000回転まではノーマル並みにパワーがあり、吹けあがりもスムーズだった。
パワーバンドではかなり力強いが、急加速すると息つきしたのでガスが薄いようだ。
最後にパワーバンドに入れて数百メートル走行し、高回転を維持した状態でエンジンOFF(キーをOFF)にしプラグをチェックしてみると、絶縁体部分が新品と変わらないくらい真っ白だったので、かなり薄かったようだ。
(パワーバンドに入れて走っても、その後アイドリング状態にするとプラグの状態が変わってしまいます)
#写真の真っ白な部分が絶縁体

高回転域のセッティング

ポン付けではかなり薄かったので、まずはMJを20番上げの120番に交換した。
MJ交換手順はこちら

すると、6000回転付近でボコつき、パワーバンド直前の8000回転付近でもボコつきが発生。
パワーバンドでは先程よりスムーズに吹け上がりトルク感も上がった。
しかしパワーバンド内で急加速するとまた息つきしたのでまだ薄いのだろう。

プラグをチェックしてみると少しキツネ色になりはじめていた。
が、これでもまだ薄い。

初心者はここで、「高回転はさっきより良くなったけど、低中回転はノーマルMJの方が調子良かったからMJ戻しちゃえ」となる事があるが、低中回転はニードルやエアスクリューでセッティングするものなので、絶対戻してはいけない。
つまりMJセッティング時は低中回転のフィーリングは無視し、パワーバンド内のフィーリングのみでチェックする。

 

上記の120番でのプラグの焼け具合から、125番程度でセッティングが出そうな気がするが、130番を試してみた。
すると9000回転で大きなボコつきが発生し、それ以上回らなくなった。

次に125番に変更した。
するとパワーバンド内は若干もたつきはあるものの奇麗に吹けあがり、最高回転数はオーバーレブで14000回転まで回った。
プラグをチェックしてみると、キツネ色を通り越しチョコレート色状態だった。
#個人的にこれくらいが好き

焼きつきが恐い人や、トルク重視の人はこれで高回転のセッティングは完了。
ジャストセッティングにしたい人は次へ

125番でやや濃いめだったので、1ランク下げて122,5番を付けてみた。
すると奇麗にキツネ色に焼け、パワーバンド内ももたつき無く奇麗に吹けあがった。
これで高回転のセッティングは完了。

低中回転のセッティング

高回転のセッティングが終ったら次に低中回転のセッティングです。
今回はMJ交換により発生した5500回転付近の谷と7500回転付近の谷を消すのが目的。

まずはエアスクリュー(写真右の引っ込んでるネジ)のセッティング。
エアスクリューは締め込むと濃くなり、巻き戻すと薄くなります。

エアスクリューではアイドリング〜6000回転程度までのセッティングが出来ます。

まずエンジンを十分暖めて(少し走行すればOK)、アイドリング調節ネジ(写真左のでっぱってるネジ)を回し、2000回転程度でアイドリングするようにする。
次にエアスクリューを全閉にし、じわじわとゆっくり巻き戻していく。

全閉状態ではエンジンが止まる事があるが、その場合は最初から1/2回転程度巻き戻しておきエンジンをかけてもよい。

回していくとアイドリング回転数が徐々に上がってき、ある一点を過ぎるとまた回転が落ちていきます。
その一番回転が上がった所にセットしたら、次にアクセルを煽ってみてスムーズに吹けあがる箇所に微調整する。

これで5500回転付近の谷は消えました。

他の方法としては、走行し谷のある回転数で一定速で走行し、その状態でチョークを少し引いてみて調子が良くなれば現在は薄いという事になります。

次に7500回転付近の谷を消す。
この辺の回転域はニードルが一番関係しているので、ニードルセッティングをします。

まず指し示すキャブの上のフタを回して外す。
固い場合はプライヤーで回すと簡単です。

するとこのような物が出てきます。

針のようなものがニードルで、ニードルが入っている筒がスロットルバルブ

豆知識
組み込み時スロットルバルブの回りに2stオイルを塗っておくと、滑りが良くなります。

このバネを手で縮めてスロットルバルブに引っかけてあるスロットルケーブルを外す。

スロットルバルブにはニードルを固定する為のリングのようなものが入っているので無くさないように。

また、初めて外す際はどのようにリングが挟まっているか良く覚えておく。

#NSR系の京浜キャブの場合はクリップで止められている

ニードルをスロットルバルブから出すと、上にクリップが挟まっています。

このクリップの位置を上げる事により薄く、下げることにより濃くすることができます。

今回はノーマルMJを大きくして若干中回転が濃くなり谷が出たと思われるので、クリップの位置を1段上げて薄くしてみました。

スロットルバルブにニードルを戻し、ニードルを押さえるリングを入れ逆の手順でキャブに戻す。

アクセルOFF

アクセルON

スロットルバルブをキャブに戻す際は、前後の向きに注意する。
スロットルバルブは下側後方が斜めに切り取られているので、その切り取られている所をエアクリーナー側に向けて取り付ける。

取り付け後はアクセルを回しながらキャブのエアクリーナーを取り付ける穴を覗き、スロットルバルブが上下に動いているのか確認する。
#写真参照

もし逆向きに付けてしまった場合は、エンジンをかけた途端にアクセルを触っていないのに全開状態になりちとびびります(笑)
  パーツを元に戻し実走行してみると、ほとんど谷が消えていました。
しかし、谷があった7500回転付近で一定速で走っていると若干ボコつきがあったので、若干まだ濃いと思われる。

おそらくこれ以上薄くすると逆に息つきが発生すると思われるが、試しにもう一段薄くしてみた。
すると、予想通り息つきしたので、先程のセッティングに戻し完了

最終セッティング

ニードルセッティング中「2段と3段の間が欲しい!」と思ったことはありませんか?
今回のように若干の差で濃かったり薄かったりした場合は、エアスクリューの再セッティングで回復できます。
今回はニードルを一段薄くして「もう一段下げるほどじゃないけどちょっと薄くしたい!」という状態だったので、エアスクリューを45度ほど巻き戻し薄くしてみました。
すると完全に谷が消えジャストセッティングが出ました。
これでキャブセッティング終了です。

おことわり

今回はMJのセッティングは結果的に薄めから初めてしまいましたが、本来は濃いめから徐々に薄くしてセッティングするものです。
今回のような方法でセッティングすると、最悪焼きつきます。

初めてセッティングする方はまず初めに手持ちのMJで一番大きいサイズの物をセットしてください。
その状態からセッティングを開始し、徐々にサイズを小さくしていき最適セッティングにしてください。

Q&A

Q1
MJセットを買ったのですが、最大番数を付けてもまだ薄いようです。
これ以上大きいサイズのMJはあるのですか?
A
他車種用でも同じキャブを使っているものは流用出来ます。
また、ばら売りで買うこともできます。

Q2
MJセットは5番飛びですが、このページで使っている122,5番などはどのように入手するのでしょうか?
A
これもばら売りで売っています。

Q3
夏にセッティング出したけど冬になったらセッティングが狂いはじめた!
A
ノーマル車なら季節や走行環境が変化してもほとんどセッティングは変わらないのですが、改造車では大きく影響します。
少なくとも夏と冬の2回はセッティングし直してください。
基本的に夏はガスを薄目、冬はガスを濃い目にする必要があります。

夏はMJが105番でジャストセッティングが出ていても、冬の場合は115番でジャストになるなど

また、これはキャブの口径を大きくすればするほどセッティングが狂いやすいそうです。
#28φなんか付けちゃったら毎日再セッティング?(笑)

Q4
パワーフィルターを付けたらMJをどれくらい上げればいいの?
A
セッティングは車種、改造度、季節、バイクの状態によって変化します。
このページを参考にセッティングしてください。
たとえ同じような状態のバイクの人がいたとしても、同じセッティングにすればいいというものではありません。
また、大抵の場合パワーフィルターを付けた場合はMJのみでなく、ニードルやエアスクリューのセッティングが必要になります。

Q5
友達がジャストセッティングにしてくれたんだけど、自分はもう1ランクMJを上げて濃いめのほうが好きなんだけど・・・。
A
あなたが濃いめを望むなら1ランク上げても問題ありません。
濃いめにする分には最悪プラグがかぶってしまうという程度で、焼きつきなどの重大なトラブルになることは少ないです。
ただし、逆に薄い方が好きな場合は気をつけてください。ジャストセッティングより薄くすると最悪焼きつく事があります。


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